「琵琶湖一周を電車でしてみたいけど、本当に可能なの？」
「どれくらいの時間や費用がかかるのか知りたい！」
そうお考えではありませんか？
琵琶湖の雄大な景色を車窓から眺めながらの周遊は、電車旅ならではの醍醐味です。
本記事では、琵琶湖一周電車の旅を計画している方に向けて、
基本的なルートの全貌から、所要時間、必要な費用、さらにはお得な切符情報まで、全てを網羅して詳しく解説します。
結論から言うと、琵琶湖一周電車の旅は可能です。
しかし、知っておくべきルートの具体的な接続区間や、
湖西線の強風による運転見合わせといった注意点も存在します。
この記事を読めば、琵琶湖一周電車旅の疑問が全て解消し、
安心して旅の計画をスタートできるようになります。
さあ、魅力あふれる琵琶湖周遊の旅に出発しましょう！
琵琶湖一周（全周）は電車で可能なのか？基本的な疑問とルートの全貌
琵琶湖を電車で一周するというアイデアは魅力的ですが、JR線の路線図を見ても、全周をカバーする路線があるのか疑問に感じるかもしれません。このセクションでは、琵琶湖一周電車の旅を成立させるための核となる路線と、そのルートがどのように湖の周りを巡っているのか、基本的な仕組みと疑問点を解消します。
琵琶湖全周は「湖西線」と「琵琶湖線」の乗り継ぎで実現する
琵琶湖一周電車の旅は、特定の路線をぐるりと一周するわけではなく、
主に「湖西線」と「琵琶湖線（東海道本線・北陸本線の一部区間）」の2つの路線を乗り継ぐことで実現します。
湖西線は湖の西側（西岸）を通り、京都駅または山科駅から近江塩津駅までを結びます。
一方、琵琶湖線は湖の東側（東岸）を通り、米原駅を経由して湖の南側、北側へと接続します。
この2つの路線をうまく組み合わせることで、琵琶湖をぐるりと囲む環状ルートが完成するのです。
琵琶湖線・湖西線が一周ルートを形成する背景
かつての琵琶湖周遊ルートは、東岸の琵琶湖線がメインでした。
しかし、人口増加や京阪神と北陸方面のアクセス強化を目的に、昭和49年（1974年）に湖西線が開通したことで、
琵琶湖を挟んで東西のルートが形成されました。
これにより、東岸ルートと西岸ルートを米原駅や山科駅などで接続し、
「琵琶湖を一周する」という選択肢が本格的に生まれたのです。
厳密には琵琶湖の全周は電車ではできない？「一部非電化区間」の存在
「全周」と言っても、厳密には琵琶湖一周電車で湖岸を完全に一周できるわけではありません。
特に北端の「近江塩津駅〜敦賀駅」の区間は、北陸本線の一部であり、
この区間は湖の端を少し離れて山間部を通ります。
また、かつては北陸本線の木ノ本〜敦賀間は直流電化区間でしたが、現在は交流電化区間（またはデッドセクション）となっており、
運行形態や電車そのものの種類が変わるため、乗り継ぎが必要となる場合があります。
しかし、一般的に観光で言う「琵琶湖一周電車」とは、このJR線ルート全体を指しますのでご安心ください。
琵琶湖一周の定義と電車ルートの「一周」が意味するもの
一般的な「琵琶湖一周」には、距離で約200kmを指す「ビワイチ」（自転車）がありますが、
琵琶湖一周電車のルートは、JR線の線路距離で計算され、
京都駅〜山科駅〜米原駅〜近江塩津駅〜山科駅〜京都駅というルートの場合、約160km程度の営業キロとなります。
この「一周」とは、湖を囲む鉄道路線を一筆書きでたどり、スタート地点に戻ることを意味しており、
湖畔の美しい景色を最大限に楽しむための最適なルート設計となっていると言えます。
スタート地点としておすすめの主要駅（米原・京都・大津）
琵琶湖一周電車のスタート地点は、旅の計画に応じて柔軟に選べます。
最もアクセスが良く、ルートの起点・終点として分かりやすいのは、以下の3つの主要駅です。
- 米原駅：東海道新幹線が停車し、琵琶湖線の北陸方面への分岐点でもあります。車庫もあり、運行上の要衝です。
- 京都駅：新幹線・在来線との乗り換えに便利。湖西線と東海道本線（琵琶湖線）の接続駅である山科駅へも近いです。
- 大津駅：滋賀県の県庁所在地であり、湖の玄関口として観光案内所なども充実しています。
周遊ルート上の主要な接続駅と乗り換えのポイント
琵琶湖一周電車のルート上には、乗り換えが必須、または効率的な周遊のために覚えておきたい主要な接続駅がいくつかあります。
- 山科駅：京都側で湖西線と琵琶湖線が分岐・合流する重要な駅です。
- 近江塩津駅：湖西線と琵琶湖線（北陸本線）が合流する湖の北端の駅です。ここで進行方向が変わることが多く、乗り換え案内をよく確認しましょう。
- 米原駅：東岸の琵琶湖線ルート上で、東海道新幹線や近江鉄道との接続点です。
途中で降りて観光したい！電車移動のメリット
琵琶湖一周電車旅の最大のメリットは、好きな駅で自由に途中下車できることです。
例えば、
- 近江高島駅で降りて「白鬚神社」の湖中大鳥居を拝む。
- 近江八幡駅で「八幡堀」を散策する。
- 長浜駅で「黒壁スクエア」のレトロな街並みを楽しむ。
疲れたら電車内で休憩できるのが、他の手段にはない魅力です。
琵琶湖一周電車旅の所要時間とモデルプラン
琵琶湖一周電車の旅を計画する上で、最も気になるのが「どれくらいの時間で一周できるか」という点でしょう。このセクションでは、乗り換え時間を含めた最短の所要時間から、観光をしっかり楽しむための1日、あるいは1泊2日のモデルプランまで、具体的な時間配分を解説します。事前の計画をしっかり立てて、効率よく周遊を楽しみましょう。
乗り換え時間を含めた一周の最短所要時間
休憩や観光のための途中下車を一切せず、ひたすら周遊ルートを走りきった場合の最短所要時間は、
約3時間30分〜4時間程度が目安となります。（京都駅発着の場合）
これは、湖西線と琵琶湖線（東海道・北陸本線）の運行ダイヤ、特に北端の近江塩津駅や敦賀駅での乗り換えの接続によって変動します。
土日祝日や朝夕の混雑時、または強風時の遅延を考慮すると、余裕をもって4時間を見積もっておくのが現実的です。
運行本数が少ない早朝や夜間は、乗り継ぎの待ち時間が長くなる傾向にあるため注意が必要です。
観光・休憩込みのゆったり1日モデルプラン
琵琶湖一周電車旅の醍醐味は観光です。おすすめの「ゆったり1日プラン」をご紹介します。
【モデルプラン例】
8:00：京都駅出発（湖西線経由）
9:00：近江高島駅下車、「白鬚神社」観光（1時間30分）
10:30：近江高島駅発
12:00：近江塩津駅で乗り継ぎ（昼食・休憩）
13:30：長浜駅下車、「黒壁スクエア」観光（2時間）
15:30：長浜駅発（琵琶湖線経由）
17:30：京都駅または米原駅到着
このプランでは、実質約9時間30分で主要なスポットを2箇所巡ることができます。
途中下車を計画する場合は、乗り継ぎ時間をアプリなどで事前にチェックすることが重要です。
途中下車して宿泊する1泊2日モデルプラン
時間に余裕があるなら、湖畔の美しい夕日や朝焼けを楽しむ1泊2日プランがおすすめです。
【1泊2日プランのポイント】
- 宿泊地：湖東の温泉地「雄琴温泉」（おごと温泉駅）や、北端の歴史情緒あふれる「長浜」が特に人気です。
- 1日目：午前中に湖西線で西岸を巡り、夕方におごと温泉駅周辺でチェックイン。湖畔の夕日を楽しみます。
- 2日目：長浜や彦根（彦根城）など、東岸の歴史観光スポットをじっくり巡りながら南下します。
琵琶湖一周に必要な費用とお得な切符（フリーパス）情報
琵琶湖一周電車の旅を費用を抑えて楽しむために、運賃体系の理解と、お得な切符（フリーパス）の活用は欠かせません。このセクションでは、通常の運賃がどれくらいになるのかを解説し、特に周遊旅行に最適なJR各社の企画切符や、季節限定のフリーパス情報を掘り下げてご紹介します。賢く切符を選んで、旅の費用を節約しましょう。
通常運賃で一周した場合の概算費用
京都駅を起点とし、湖西線・北陸本線・琵琶湖線を経由して一周するルートを全て通常の切符で購入した場合、
概算の運賃は約3,000円〜3,500円程度（2025年現在、乗車ルートにより変動）となります。
ただし、この金額は「途中下車をしない」場合の基本運賃であり、
何度も乗り降りをして観光を楽しむ場合は、その都度切符を購入することになり、総額はさらに高くなります。
そのため、観光目的で琵琶湖一周電車旅をする場合は、次項で紹介するフリーパスの利用を強くおすすめします。
「青春18きっぷ」などの企画切符を活用する方法
長期間の休みを利用して琵琶湖一周電車の旅を計画する場合、「青春18きっぷ」は最強の味方となります。
- 青春18きっぷ：普通列車と快速列車に1日乗り放題（5日分で12,050円、1日あたり2,410円）。
琵琶湖一周の運賃よりも安く済み、1日で一周を完結させるなら大幅な節約になります。
琵琶湖周遊に特化したフリーパス・乗り放題切符
JR西日本では、時期によって琵琶湖一周電車に便利なフリーパスを販売することがあります。
常に販売されているわけではありませんが、計画時に必ずチェックしたい切符として以下のようなものがあります。
- 関西ワンデイパス（季節限定）：琵琶湖線の一部区間を含む、広範囲のJR線と私鉄（京阪線、近江鉄道など）が乗り放題となる切符です。
この切符を利用すれば、彦根城や竹生島へのアクセスもお得になります。
JR西日本の公式サイトを旅の直前に確認するのが最も確実です。
具体的な注意点・難所
琵琶湖一周電車の旅は魅力的ですが、計画通りにスムーズに進めるためには、いくつかの具体的な注意点や難所を把握しておく必要があります。特に自然の影響を受けやすい湖西線の状況や、運行本数が少ない区間での対策は重要です。このセクションでリスクを事前に把握し、万が一の事態にも落ち着いて対応できるよう準備しておきましょう。
湖西線の「強風による運転見合わせ」リスク
琵琶湖一周電車ルートの中で、最もダイヤの乱れが発生しやすいのが「湖西線」です。
湖の西岸を走るため、冬場や台風シーズンには琵琶湖からの強烈な西風や北風の影響を直接受けやすく、
近江舞子駅〜近江今津駅周辺で運転規制が入ることが頻繁にあります。
強風警報が出ると、列車はすぐに運転見合わせや遅延となるため、
旅の当日の天候（特に風速）は、出発前に必ずチェックするようにしてください。
万が一見合わせになった場合は、東岸の琵琶湖線ルートへの迂回や、近江今津駅からのバスへの振り替え輸送などを検討する必要があります。
列車本数の少ない区間と乗り逃し対策
京都駅〜米原駅間の琵琶湖線（東海道本線）は本数が非常に多いですが、
湖の北端に近い以下の区間は、列車本数がぐっと少なくなります。
- 近江今津駅〜近江塩津駅（湖西線）
- 近江塩津駅〜米原駅（北陸本線）
途中下車をする際は、次の列車の時刻を事前にスマートフォンや駅の掲示で確認するのが鉄則です。
乗り過ごすと1時間近く待つことになるため、計画的な行動が求められます。
長時間乗車に備えた準備（飲食・トイレ）
最短でも4時間近くかかる琵琶湖一周電車の旅では、車内での快適さを確保するための準備も大切です。
- 飲食：長浜駅や近江八幡駅周辺には美味しい駅弁や地元グルメがありますが、電車に乗る前に飲み物や軽食を事前に購入しておくことをおすすめします。
- トイレ：湖西線や琵琶湖線で運行される車両の多くにはトイレが設置されていますが、古い車両や一部の普通列車には無い場合もあります。
特に長距離を乗り継ぐ場合は、主要な接続駅（米原、京都、近江塩津など）で済ませておくと安心です。
他の手段（自転車・車）との比較
琵琶湖一周の旅は、電車以外にもレンタサイクルでの「ビワイチ」や、マイカーでのドライブなど、多様な手段で楽しむことができます。どの手段を選ぶかによって、見える景色、所要時間、費用、自由度が大きく変わってきます。このセクションでは、琵琶湖一周電車の旅を他の手段と比較し、あなたの旅のスタイルに最も合う方法を見つけるお手伝いをします。
費用・時間を比較！電車・自転車・車の違い
琵琶湖一周電車、自転車（ビワイチ）、車（ドライブ）の主要な違いを比較します。
| 手段 | 所要時間（観光含まず） | 概算費用（燃料費・切符代など） |
|---|---|---|
| 琵琶湖一周電車 | 約3時間半〜4時間 | 約3,500円（切符利用で2,410円〜） |
| 自転車（ビワイチ） | 10時間〜2日（体力による） | 0円（レンタル料は別途） |
| 車（マイカー） | 約3時間 | 高速代＋燃料代＋駐車場代 |
最も早く一周できるのは車ですが、渋滞や駐車場の手間があります。
費用対効果、特に体力の負担が少ないという点で、電車は非常に優れています。
景色を楽しむなら？各手段のメリット・デメリット
旅の目的が「景色を楽しむ」ことにある場合、各手段にはそれぞれメリットとデメリットがあります。
- 電車：車窓からの景色を座ってゆっくり楽しめる。特に湖西線は湖が間近に迫る絶景区間があります。途中下車が必要なのがデメリット。
- 自転車：湖畔ギリギリの「さざなみ街道」などを走り、五感で琵琶湖を感じられる。体力が必要なことと、雨天に弱いのがデメリット。
- 車：自由なタイミングで停車でき、立ち寄りスポットが多い。ただし、運転者は景色に集中できないのがデメリットです。
初心者におすすめの周遊手段
琵琶湖周遊が初めての方、または体力に自信がない方には、迷わず「琵琶湖一周電車」をおすすめします。
【電車がおすすめの理由】
- 圧倒的に楽：運転やペダルを漕ぐ必要がなく、休憩中に移動ができる。
- 天候に左右されにくい：雨天でも快適に移動可能（強風リスクを除く）。
- 移動速度が速い：短時間で広範囲を移動できるため、効率よく観光地を巡れます。
まとめ
本記事では、琵琶湖一周電車の旅を成功させるために、ルートの仕組みから費用、注意点、そして他の手段との比較まで、網羅的に解説しました。
改めて重要なポイントをまとめます。
- 琵琶湖一周電車は、湖西線と琵琶湖線（東海道・北陸本線）の乗り継ぎで実現可能。
- 最短所要時間は約3時間半〜4時間ですが、観光を楽しむなら1日〜1泊2日がおすすめ。
- 費用を抑えるなら「青春18きっぷ」や季節のフリーパスの活用が必須。
- 湖西線の強風による運転見合わせリスクは常に意識し、天候チェックを欠かさないこと。
- 体力的な負担が最も少なく、初心者にも最適なのが電車旅です。
琵琶湖一周電車は、移動そのものが旅の目的となる、贅沢な体験です。このガイドを参考に、ご自身の最高の琵琶湖周遊プランを立ててみてください。車窓から見える雄大な湖の景色が、きっとあなたを癒してくれるでしょう。
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